「売るか貸すか」――感情で迷う前に、まずは数字で「モノサシ」を作りましょう。
相続した不動産をどうすべきか。多くの方が「愛着があるから貸したい」という思いと、「管理が大変そうだから売りたい」という現実の間で揺れ動きます。この決断を後悔しないものにするためには、客観的な数値での比較が必要です。
私がコンサルティングの際、必ず提示する「3つの数字」があります。
- 「実効利回り」: 想定賃料から、固定資産税、管理費、修繕積立(戸建てでも必要です!)、将来の空室リスクを差し引いた、本当の手残り額です。これが銀行預金や他の投資と比べて見合っているか?
- 「リフォーム回収年数」: 貸し出すために必要なリフォーム費用を、家賃収入の何年分で回収できるか。10年を超えるようであれば、売却して現金を確保し、別の資産に組み替える方が有利な場合が多いです。
- 「3年10ヶ月以内の売却特例」: 相続税を支払った場合、相続発生から3年10ヶ月以内に売却すれば、支払った相続税の一部を譲渡資産の取得費に加算できる特例があります。この「期限」を意識しているかどうかで、数百万円の差が出ます。
宅建士として売却時の市場価格を、賃貸不動産経営管理士として賃貸運営の実態を算出できるからこそ、どちらが「正解」かを論理的に示すことができます。
(本稿は2026年3月時点での法令の規定に基づいています。実際にご検討になる場合は、その時点での最新の規定をご確認になったうえで、専門家にご相談になることそお勧めします。)
